山形県地蔵山におけるオオシラビソの被害程度と更新状況

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タイトル別名
  • The degree of damage by insects and regeneration in <i>Abies mariesii</i>on Mt. Jizou in yamagata prefecture

抄録

<p> 2013年に発生した加害昆虫により山形蔵王のオオシラビソが衰弱している。針葉の食害は昨年終息したが、今年度は新たにキクイムシの穿孔被害が確認された。観光資源である樹氷林を維持するためには、被害実態や林況を把握して講じるべき対策手法を検討することが重要である。そこで、標高の異なる5地点で穿孔程度を調べ、被害が顕著な林分で毎木調査を行い天然更新の可否を判断した。 被害区域4地点と山頂付近の激害区域1地点で穿孔の有無を調べた結果、標高1,450m以上の3地点で被害が確認された。激害区域では全ての個体が被害を受けており、枯死率も他の2地点が10%以下であったのに対し、93.3%と高かった。区域内にある個体は著しく衰弱しているものが多く、穿孔被害により枯死したと思われる。 立木密度を階層別に比較した結果、上層木は1216本/haあったが、中層木はその半数以下であり、下層に稚樹や実生はなかった。上・中層木の生存率はそれぞれ1.0%、36.1%と低かったので、生残している若齢木のみで天然更新を図ることは困難と考えられる。以上のことから、現状の立木密度を維持するには播種等の補助作業が必要である。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205709955456
  • NII論文ID
    130007021470
  • DOI
    10.11519/jfsc.128.0_564
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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