ササのある木曽ヒノキ天然生林の林分構造

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タイトル別名
  • Stand structure of a natural Chamaecyparis obtusa forest with Sasa under-vegetation

抄録

<p>林床にササが優占するヒノキ天然生林では林床が暗環境下にあるため、ヒノキの種子は発芽しても定着、成長できないものと考えられている。しかし林内ではまれにヒノキの小径木や中径木が観察され、現況でもヒノキが天然更新している可能性がある。本研究では林床にササが優占するヒノキ天然生林のヒノキ更新様式を明らかにするため、木曽ヒノキ林において成木と前生樹の林分構造の調査を行った。中部森林管理局三浦国有林2615林班で帯状調査区3個を設けて成木の毎木調査をおこない、林床と根元にコドラートを10箇所ずつ設けて前生稚樹・実生の本数を計測した。その結果、ヒノキ前生樹はササに被覆されている林床よりも、ササに被覆されることが少ない成木の根元の上により多く定着していることが明らかとなった。ヒノキ成木個体の約9割に地際の下の空洞や過去の根株が存在する根上がり形態が認められた。空洞はそこにあった切株や根株が腐食して消失したことを含意しており、ヒノキが根元・根株の上に定着した痕跡と言える。これらのことから、林床にササが優占するヒノキ天然生林では、根元・根株がヒノキ更新に重要な立地であることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205709958784
  • NII論文ID
    130007021475
  • DOI
    10.11519/jfsc.128.0_569
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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