<i>Ceratocystis ficicola</i>接種によるイチジク株枯病発病メカニズムの検討 (1) 解剖学的手法による発病過程の追跡

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on the mechanism of fig wilt after the inoculation with <i>Ceratocystis ficicola</i>. Ⅰ. Anatomy of host trees

説明

イチジク品種「蓬莱柿」二年生苗の主幹に、アイノキクイムシによるC. ficicolaの媒介を模した4点接種を行い、宿主内における本菌の動態と宿主細胞の反応との関係を解剖学的に検討した。接種1週間後、接種部では道管内腔と柔細胞内に菌糸が観察された。また、柔細胞内容物および道管と木部繊維の細胞壁が黄色~褐色に着色しており、宿主細胞の防御反応により二次代謝物質が生成したと推測された。接種部から垂直方向に5cm離れた部位では菌の観察頻度が低く、局所的に道管内腔に観察された。着色物質の蓄積は明瞭でなく、宿主細胞の反応は強まっていなかったと考えられた。防御反応による変色部位(傷害心材)では、道管の通水機能が停止することが知られている。葉の萎凋という外部病徴は2?3週間後から認められたが、その前に接種部付近で変色部の横断面積が拡大し、通水可能な道管が著しく減少していた。従って、本病感染木は感染部位で通水が停止して萎凋・枯死に至ることが示され、ブナ科樹木萎凋病(ナラ枯れ)との共通点が認められた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205710170496
  • NII論文ID
    130005490613
  • DOI
    10.11519/jfsc.126.0_184
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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