ツツジグンバイ属を中心とした日本産グンバイムシ科(カメムシ目)の系統関係

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タイトル別名
  • Phylogenetic relationship of Tingidae (Hemiptera) in Japan with special reference to <i>Stephanitis</i> species

抄録

【目的】カメムシ目の一科であるグンバイムシ科について、系統分類学的な位置に疑問があるとされるナシグンバイを含むツツジグンバイ属を中心として、DNAの分子情報により系統関係を推定するとともに、それらの生態情報から植食性昆虫の多様化プロセスの解明に貢献する。【方法】ツツジグンバイ属を中心として25種のグンバイムシ科昆虫をサンプリングし、ミトコンドリア遺伝子COI領域の解析を行った。また、生態が知られていない種の越冬態を調査した。【結果】ツツジグンバイ属は常緑広葉樹をホストとする種群と落葉広葉樹のみをホストとする種群の2系統に分かれ、沖縄県を除く温帯産種では前者と後者で越冬のステージが異なっていた。後者にはナシグンバイとともにツツジグンバイ属の1種と、明らかに形態の異なる別属の種が含まれ、ツツジグンバイ属が側系統群である可能性が示唆された。また解析に用いた種において、落葉広葉樹あるいは夏緑性草本をホストとし成虫で越冬する種は系統樹中に分散したが、常緑広葉樹をホストとし卵で越冬する種は単系統群を形成し、この形質は派生的であると推定された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205710181376
  • NII論文ID
    130005474431
  • DOI
    10.11519/jfsc.125.0_467
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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