殺菌剤を樹幹注入したスダジイへのナラ菌の接種

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タイトル別名
  • Inoculation of <i>Raffaelea quercivora</i> to the <i>Castanopsis cuspidata</i> var. sieboldii that microbicide injected

抄録

2010年、伊豆諸島の三宅島、御蔵島、八丈島でスダジイが集団枯死する被害が発生し、3島それぞれから、ナラ枯れ病原菌媒介者であるカシノナガキクイムシの加害が確認された。そのため伊豆諸島におけるスダジイ被害対策として、2012年と2013年にナラ類で使用されている殺菌剤の樹幹注入によるスダジイ枯損防止試験、および事前に殺菌剤を樹幹注入したスダジイへのナラ菌接種試験を行った。薬剤はウッドキングSP(通常区)、および高濃度殺菌剤KW-06(高濃度区)を使用した。<br>その結果、枯損防止試験では2012年、2013年ともに3島全体で枯死の発生がほとんど無く、殺菌剤注入区・対照区ともに枯死は発生しなかった。次にナラ菌の接種試験では、薬剤を注入していない対照区と比較して、通常区・高濃度区ともに全ての島でナラ菌による材の変色面積が少なく、特に三宅島高濃度区では1/3以下に変色を抑制する効果が見られた。またナラ菌の分離試験でも変色面積と同様の傾向が得られ、変色面積はナラ菌の分布を表していた。これらの結果より、ナラ類で登録されているナラ枯れ予防樹幹注入剤は、スダジイの枯死予防にも効果があると考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205710233472
  • NII論文ID
    130005474471
  • DOI
    10.11519/jfsc.125.0_488
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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