越冬中のカシノナガキクイムシ幼虫および成虫の過冷却点

書誌事項

タイトル別名
  • Supercooling point of overwintering larvae and adults in <i>Platypus qurcivorus</i>

説明

<p>近年、ナラ枯れ被害が高標高、寒冷地へ拡大する傾向が見られる。寒冷地では、カシノナガキクイムシ幼虫が越冬できずに死亡することが示唆されている。そこで、本種の低温耐性を解明するため、越冬中の本種幼虫および成虫の過冷却点を調べた。本種は、遺伝子的に日本海型と太平洋型に分けられるため、日本海型として山形県と鹿児島県、太平洋型として静岡県と徳島県の地理的個体群を供試した。過冷却点の平均値は、幼虫では地理的個体群にかかわらず-18℃前後であり、成虫でも地理的個体群にかかわらず-20℃前後であった。したがって、過冷却点には日本海型と太平洋型の間に有意差は見られず、また、北方の個体群で過冷却点が低くなる傾向も見られなかった。また、幼虫の低温での生存率を調べるため、山形県と徳島県の幼虫を透明なストローに1個体ずつ入れて、5~-10℃に25~100日間保管した後の生存率を調べた。その結果、過冷却点より高い-10℃で25日間保管した場合でも、両県の個体群の全ての幼虫が死亡した。このことから、本種の低温耐性を解明するには、過冷却点だけでなく、短期間の低温暴露が生存に与える影響を詳細に調べる必要があると考えられた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205710294528
  • NII論文ID
    130007021617
  • DOI
    10.11519/jfsc.128.0_152
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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