秋季に殺菌剤を樹幹注入したスダジイのナラ枯れ予防効果

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タイトル別名
  • The prevention effect of Japanese oak wilt by the microbicide injection to the <i>Castanopsis sieboldii</i> in autumn

抄録

2010年、伊豆諸島でスダジイが集団枯死する被害が発生し、ナラ枯れ病原菌媒介者のカシノナガキクイムシとナラ菌が確認された。そのため、殺菌剤の樹幹注入とナラ菌接種による枯損防止効果判定試験を行い、ナラ枯れ予防薬剤の樹幹注入はスダジイの枯死予防にも効果があることを報告した(衣浦ら、2014)。今回は、通常の注入時期ではなく、秋季の樹幹注入におけるスダジイの枯死予防効果を調査した。<br> 2013年11月、御蔵島里地区スダジイ林において、未被害のスダジイに殺菌剤を樹幹注入し、2014年5月にナラ菌を人工的に接種した後、7月下旬に伐倒してナラ菌を接種した部分の変色状況や菌類の分離等の調査を行った。また、ナラ菌接種位置の薬剤濃度についても分析した。その結果、ナラ菌の接種試験では、薬剤を注入していない対照区と比較して薬剤注入区ではナラ菌による材変色面積が少なく、変色抑制効果が見られた。また変色域からはナラ菌が再分離された。さらに、ナラ菌接種部位の薬剤濃度と変色量との間に負の相関が見られた。これらの結果より、ナラ類で登録されているナラ枯れ予防樹幹注入剤は、注入時期を秋季にしてもスダジイの枯死予防に効果があることが判った。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205710514176
  • NII論文ID
    130005491163
  • DOI
    10.11519/jfsc.126.0_650
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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