九州大学宮崎演習林で育成されたカラマツの成長と木材性質

書誌事項

タイトル別名
  • Growth and wood properites of Japanese larch grown in Shiiba Research Forest, Kyushu University

説明

【目的】生育地の違いがカラマツの材質に及ぼす影響を明らかにすることを目的に,九州大学宮崎演習林(以下,宮演)のカラマツの成長と木材性質を調べ,苗の出所が同じで,ほぼ同様の植栽密度とその後の保育作業が施された同樹齢の九州大学北海道演習林(以下,北演)のカラマツと比較検討した. <br>【方法】宮演,北演ともに56年生林分を対象にした.それぞれ約100本の立木のDBHと樹幹応力波伝播速度を測定するとともに,それぞれ5本の樹幹解析と地上高1.2m,9.2m,15.2mの髄から最外年輪までの容積密度,仮道管長,仮道管S2層のミクロフィブリル傾角(MFA)を測定した. <br>【結果】宮演の肥大成長量,樹高成長量,材積成長量は北演よりも劣るが,容積密度と仮道管長には両林分に差はなかった.MFAについては,樹幹上部でその値と半径方向の変動傾向にわずかな違いが認められた.樹幹下部において宮演の応力波伝播速度が北演よりもわずかに低い値を示したが,動的ヤング率の推定値はほぼ同等であった.以上の結果から,カラマツの材質は,特に樹幹下部においては,生育地の違いの影響を大きく受けないことが示唆された.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205710651008
  • NII論文ID
    130005474245
  • DOI
    10.11519/jfsc.125.0_295
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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