海水冠水から2ヶ月後の樹体内塩分蓄積

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タイトル別名
  • Salt accumulation in plant organs in two months after sea-water flooding

抄録

2011年3月11日におこった東日本大震災の津波は,海岸林にも大きな被害をもたらした.津波の物理的な力により樹幹が分断,根返りしたものが多かったが,停滞した海水の塩の影響により枯死したものも多数みられた.今後,耐塩性の高い樹種で海岸林を造成していくうえで,植栽可能な樹種の正確な耐塩性の評価が不可欠である.本研究では東北地方沿岸域に分布する樹種17種を用いて24時間海水によって土壌冠水させた.処理区は,冠水区と対照区を設け,24時間後に1回目の収穫後,2か月間にわたって経過を観察しながら,枯死したものを随時掘り取って計測を行った.収穫後は葉と根内のNa+,Ca2+,K+およびMg2+の含有量を測定し,変化を解析した.この結果,冠水処理をおこなった葉内のNa+含有量は経過観察後の枯死が少なかったヤブツバキ,スギ,ヒノキ,アカマツ,クロマツ等で増加傾向を示した.ヤマザクラやニセアカシア等の早期に枯死した樹種では大きな変化は認められず,コナラやケヤキでは減少傾向がみられた.可視的な変化がみられなかった樹種でも葉内のNa+含有量は経過観察期間中に増加していた.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205710748160
  • NII論文ID
    130005474253
  • DOI
    10.11519/jfsc.125.0_328
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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