シカ可食植物のレフュージアとして機能するタヌキのため糞場

書誌事項

タイトル別名
  • Raccoon dog-fecal pile sites as refugia from deer browsing

説明

本研究は、京都周辺にあって、シカの採食で下層植生が著しく後退した森林(芦生、芹生、八丁平、日吉)において、尾根上に存在するタヌキの溜糞場の植物の残存状況を明らかにすることを目的とした。調査は、溜糞場(芦生25ヶ所、芹生4ヶ所、八丁平3ヶ所、日吉3ヶ所、計35ヶ所)に生えている植物と、同じ尾根上の溜糞場以外の場所(芦生31ヶ所、芹生4ヶ所、八丁平3ヶ所、日吉4ヶ所の計41ヶ所)に生えている2.5m以下の植物の種(のべ167種)、本数(のべ約9000本)、高さを記録した。また、溜糞場10ヶ所にカメラトラップを設置し、溜糞場におけるシカの行動を観察した。溜糞場の調査期間は2013年6月16日~9月8日、カメラトラップの期間は2013年6月16日~12月3日であった。<br> タヌキの溜糞場では、非溜糞場に生えている植物より種数、本数が多く、高いことがわかった。それらの中には風散布植物も含まれていた。カメラトラップには、シカがタヌキの溜糞場を避けて移動、採食している様子が記録されていた。これらのことにより、シカがタヌキの溜糞場に生える植物を食べないため、タヌキの溜糞場においてシカが食べる植物が残されている可能性が示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205711056896
  • NII論文ID
    130005474373
  • DOI
    10.11519/jfsc.125.0_370
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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