降水・水蒸気安定同位体観測による台風内部水循環

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タイトル別名
  • Isotope Ratios of Rainfall and Water Vapor observed in Typhoon

抄録

本研究グループは,水の安定同位体を用いた台風内部水循環の解明を目指し,石垣島にて2006年台風13号の気象・同位体観測を行った.台風降水域が石垣島を通過した時の降水同位体比は,内側の降水ほど徐々に軽い水になる傾向が見られる.また中心付近の降水はアウターバンドの降水同位体比と同程度まで重くなるのが興味深い.水蒸気同位体も同様に内側ほど軽くなる傾向が見られるが,台風目の水蒸気は重くなっている.台風動径風により,台風の外側から内側へ水蒸気が運ばれ,レインアウトや降水再蒸発の効果により,中心ほど降水・水蒸気同位体比は低下していることが分かる.動径風も中心付近になると弱まりだし,インナーコアへの水蒸気流入は小さくなるが,接線風は中心ほど大きくなるため中心付近では海上からの蒸発量が大きいと考えられる.そのため中心付近の同位体は高くなると考察される.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205712179968
  • NII論文ID
    130004627857
  • DOI
    10.11520/jshwr.20.0.54.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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