数値気象予報データを用いたアンサンブル洪水予測システムの構築
書誌事項
- タイトル別名
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- Building a ensemble flood forecasting system using a numerical weather prediction data
抄録
洪水の数値予報は,数値モデルに予報値としての入力を与えることで未来の河川状態を推定する手法である.これによって,解析降雨や観測水位による予報と比べ飛躍的に長いリードタイムを持った洪水予報が可能となる.一方で数値モデルを用いた予報には入力値やモデルパラメタリゼーションに起因する不確実性が内在し,これを考慮するためにアンサンブルシミュレーションの必要性が示唆されている.<br> そこで本研究では,降水入力値の不確実性を考慮した日本域アンサンブル洪水予測システムを構築し,実際の洪水イベントのハインドキャストを行う事で その性能を試験した.実際の洪水予報への適用を考えれば,空間解像度および時間解像度は可能な限り詳細な事が望ましい.今回構築したシステムでは空間解像度は0.05度,時間解像度は1時間とした.<br> 構築したシステムは3つの要素から成る.1つ目は数値気象予報データであり,これを後続のモデル群に与えることで水文過程を予測する.さらに,降水量に対する数値気象予報データとしてECMWFアンサンブルデータを用意し,これによって 降水入力値の不確実性を考慮した全51メンバーのアンサンブルシミュレーションを行った.2つ目は陸面物理過程モデルMATSIRO(高田ら, 2003; 新田ら, 2012)であり,降雨の初期損失や有効降雨等を物理過程に基づいて再現する.3つ目は河川モデルCaMa-Flood(山崎ら,2011)であり,流量計算及び洪水氾濫を再現する.<br> 構築したシステムに観測降水量を入力した検証実験では,利根川流域において年間水収差は-7%にとどまり,流量ピークを良好に再現した.さらに,2015年関東東北豪雨における鬼怒川洪水のハインドキャストでは,洪水発生を35時間前から示唆することができた.また,洪水発生を予測するメンバー数は予測初期時刻が更新されるごとに増加し,洪水発生35時間前には17/51メンバーであったのに対し,11時間前には43/51メンバーが洪水発生を予測する結果となった.
収録刊行物
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- 水文・水資源学会研究発表会要旨集
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水文・水資源学会研究発表会要旨集 29 (0), 36-, 2016
水文・水資源学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205712460928
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- NII論文ID
- 130005176103
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可