雨季中盤の雨がタイ・チャオプラヤ川の洪水に与える影響

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タイトル別名
  • Impact of rainfall in middle rainy season on floods in Chao Phraya River, Thailand

抄録

2011年に大洪水を受けたタイでは,治水計画の策定に向けてChao Phraya川流域の流出特性についての理解が必要不可欠である. Chao Phraya川の下流域洪水を防ぐ上では中流域C.2地点の流量が重要である.本研究は,1980-2011年の流量・雨量観測解析や水文陸面過程モデルを用いた数値計算を通じて,C.2地点で大出水が起こる条件について議論した.2011年は,平均を約40%超す降水量により,平年+125%(+290億m3)の自然流量がもたらされた. 2011年の大出水については,BhumibolダムとSirikitダムの運用が適切であっても洪水を防ぐことは難しかったと言える.1980, 1995, 2006年は,平均を約10%上回る降水量により,平年を50-75%上回る自然流量であった.Chao Phraya川流域の流出率は20%程度であり,その特性上,少しの降水量の増加で流出量が非常に多くなる可能性がある.平年より降水量が多く大出水となる自然洪水年と,降水量が多いにも関わらず大出水とはならない非自然洪水年がある.自然洪水年は,6, 7, 8月の降水量が平年より多く,9月に地表面貯水量が飽和に近い状態になることを示した.それにより基底流出と共に表面流出量も多くなる事を示した.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205712520832
  • NII論文ID
    130005050902
  • DOI
    10.11520/jshwr.26.0.156.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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