倍数性の異なるブタ雌核単為発生初期胚の発生能の比較

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of ploidy on early development of porcine parthenogenetic embryos

抄録

【目的】第2減数分裂中期のブタ卵母細胞を人為的に活性化すると発生を開始する。この雌核単為発生胚には、活性化後に第2極体を放出して染色体数が1nとなる胚と、放出せずに2nとなる胚がある。これらに加えて、極体の放出を抑制した第1減数分裂中期のブタ卵母細胞(4n)は発生能を有することを、我々は第101回本大会において報告した。本研究では、これら倍数性の異なる1n、2n、4nの雌核単為発生胚の初期発生能を比較した。【方法】ブタ卵巣から吸引・採取した卵母細胞を修正NCSU37中で成熟させた。成熟培養35時間後、卵母細胞を5μg/mL cytochalasin B (CB)添加NCSU37で6~7時間培養した後、CB無添加NCSU37に移して成熟51時間後まで培養した。成熟培養後、極体を持たない卵母細胞のみを選別し、電気刺激により活性化処理した(CB処理卵)。同時に、NCSU37中でCB処理せず成熟させた卵母細胞のうち、第1極体を放出した卵母細胞のみを選別して活性化処理した(CB無処理卵)。活性化後、CB処理卵をCB添加PZM5に移して5時間培養後、極体のない胚(0PB胚)のみを6日間 PZM5で培養した。また、CB無処理卵を任意に2群に分け、一方をCB添加PZM5で、他方をCB無添加PZM5に移して5時間培養後、CB処理区は極体が1つのもの(1PB胚)を、CB無処理区は極体が2つのもの(2PB胚)をそれぞれ選別、培養した。これら0、1、2PB胚の発生速度および胚盤胞形成率を観察した。また、活性化3日後に卵割した0、1、2PB胚をそれぞれレシピエントブタに移植し、胎仔形成能を調べた。【結果】活性化4日後、0PB胚では胚盤胞期胚が見られたのに対し、1 PB胚および2PB胚では5日後以降になって観察され始めた。活性化6日後の胚盤胞期胚の総細胞数は2PB胚>1PB胚>0PB胚の順に多くなる傾向であった。活性化21日後、2PB、1PB、0PB胚いずれも子宮内に胎仔が観察された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205713919744
  • NII論文ID
    130007022251
  • DOI
    10.14882/jrds.102.0.113.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ