雌ブタへのkisspeptin-10静脈内投与による黄体形成ホルモン分泌刺激効果

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タイトル別名
  • Peripheral kisspeptin-10 Administration Stimulates Luteinizing Hormone Release in Intact Sows

抄録

【目的】メタスチン(キスペプチン)は性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)分泌調節に重要な役割を担っている神経ペプチドであり,養豚分野での,より効果的な性腺制御法の開発への応用が期待される。ラットを用いた基礎実験により、メタスチンの作用部位は脳内にあるが,末梢投与によって中枢投与と同様の効果が得られること、C末端側10個のアミノ酸配列(kisspeptin-10, kp-10)が生理活性を示すことから、家畜においても十分な実用性を有すると考えられる。本研究では,雌ブタにおいて,メタスチンのコアペプチドkp-10を静脈内投与し,黄体形成ホルモン(LH)分泌に及ぼす影響について検討した。【方法】約21日の正常な発情周期を示すランドレース経産雌ブタを用い,耳介静脈より挿入し,頚静脈に留置したカニューレを通じて,発情開始後7~13日の黄体期に10分ごと12時間の頻回採血を行った。採血開始8時間後に生理的食塩水またはkp-10(30nmol/頭または300nmol/頭)のいずれかを静脈内投与した。血漿中LH濃度はRIAにより測定した。【結果】kp-10投与群では,いずれの濃度においても投与直後10分以内に血漿中LH濃度の上昇が認められた。kp-10投与による血漿中LH濃度の上昇パターンは,内因性のLHパルスの振幅や持続時間と類似していた。kp-10投与後1時間における血中LH濃度のarea under the curveは投与前1時間に比べ,有意に高い値を示した。以上の結果から,雌ブタにおいて,kp-10の静脈内投与により,LH分泌が促進され,養豚分野における実用に向けての可能性が示された。本研究は生研センター基盤研究推進事業によりサポートされています。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205714768896
  • NII論文ID
    130007023270
  • DOI
    10.14882/jrds.101.0.130.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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