Effect of environmental enrichment on sexual preference and sexual behavior in the hatano rat
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- NAKAYAMA Airi
- School of Agriculture, Meiji University
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- OKAWA Hasuka
- School of Agriculture, Meiji University
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- OTA Ryo
- Food and Drug Safety Center
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- KAWAGUCHI Maiko
- School of Agriculture, Meiji University
Bibliographic Information
- Other Title
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- 環境エンリッチメントがHatanoラットの生殖行動に及ぼす影響
Description
<p>【目的】環境エンリッチメントとは,「動物福祉の立場から飼育動物の幸福な暮らしを実現するための具体的な方策」である。近年,展示動物や畜産動物のみならず,実験動物に対しても環境エンリッチメントに関する様々な取り組みが行われている。しかし,環境エンリッチメントが必ずしもすべての個体によい影響をもたらすとは限らず,元々の個体の特徴により環境エンリッチメントの影響が異なる可能性が示されている。そこで本研究では,Sprague-Dawleyラット(SD)から作出されたHAAとLAAの2系統からなる近交系Hatanoラットを用いた。HAAとLAAはストレス応答や血中テストステロン濃度,精子運動能が異なることが報告されている一方で,性行動の特徴は明らかになっていない。本研究ではHatanoラットを用いることで環境エンリッチメントの影響に個体の遺伝的特徴による差が生じるのか否かを明らかとすることを目的とする。またHatanoラットの性行動における系統差の有無も併せて明らかにする。【方法】SD,HAA,LAAを4週齢から通常ケージもしくは回し車やトンネル,隠れ家を設置した環境エンリッチメントケージで飼育した。12週齢で性成熟した雌雄SDの床敷きを用いた性選好性試験,13~15週齢で3回の性行動試験を行った。【結果】Hatanoラットにおいて,LAAはHAAよりも活発な性行動を示した。環境エンリッチメント曝露によって,性行動1回目におけるSDとHAAの初回マウント行動・挿入行動潜時の延長,性行動試験3回目におけるHAAとLAAの初回マウント行動・挿入行動潜時の延長,LAAの初回射精潜時の延長が見られた。環境エンリッチメント曝露による性選好性試験への影響は見られなかった。【考察】環境エンリッチメントは雄の性選好性に影響を及ぼさない一方,性行動の抑制を引き起こし,特にLAAで顕著であった。今後,血中ホルモン測定を行い,環境エンリッチメントが引き起こす影響の機序について検証をしていく。</p>
Journal
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- The Journal of Reproduction and Development Supplement
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The Journal of Reproduction and Development Supplement 109 (0), P-71-P-71, 2016
The Society for Reproduction and Development
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205715149056
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- NII Article ID
- 130007023603
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed