加齢に伴う卵子の染色体数異常の原因は二価染色体の早期分離である

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タイトル別名
  • Premature bivalent separation into univalents is the major cause of age-related aneuploidy in eggs

抄録

卵母細胞の減数第一分裂において染色体分配エラーが起こると,染色体数が異常な卵子がつくられる。この染色体分配エラーの頻度は,母体の加齢に伴って上昇することが知られている。しかしながら,その原因についてはこれまで明らかではなかった。我々は今回,自然老化したマウスの卵母細胞において,実際に分配エラーに至る染色体をライブイメージングにより減数第一分裂を通して追跡することに初めて成功した。染色体の追跡結果を解析したところ,80%の分配エラーの前には二価染色体の一価染色体への早期分離が起こっていた。早期分離してできた多くの一価染色体は,微小管によって紡錘体の両極に引っ張られ,姉妹染色分体の早期分配に至っていた。これらの結果から,加齢に伴った卵母細胞の減数第一分裂における染色体分配エラーの主要な原因は,二価染色体から一価染色体への早期分離であることが明らかになった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205715166720
  • NII論文ID
    130005492161
  • DOI
    10.14882/jrds.108.0_p-56
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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