シバヤギにおけるプロジェステロン処置期間の長さが黄体形成ホルモンのパルス状分泌およびサージ状分泌に及ぼす影響

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  • Effects of the duration of a progesterone treatment on the pulsatile and surge mode secretion of luteinizing hormone in ovariectomized goats

抄録

[目的]近年、腟内徐放剤によるプロジェステロン(P)処置が卵巣疾患の治療に用いられるが、P処置期間の長さの違いにより、卵巣の反応が異なることが指摘されている。本研究では、シバヤギを用いて、異なる期間のP処置が黄体形成ホルモン(LH)のパルス状分泌およびP処置後のエストラジオール(E2)により誘起されるサージ状分泌に及ぼす影響を検討した。[材料と方法]卵巣摘出シバヤギを用い、黄体期レベルのE2濃度を再現する目的で実験開始時にE2含有チューブを皮下移植した(Day0)。P7群(n=4)ではDay0~7に、P3群(n=5)ではDay4~7に、黄体期レベルのP濃度となるようにP含有シリコンシートを皮下移植した。P0群(n=4)ではDay0~7にPを含有しないシリコンシートを皮下移植した。すべての群においてDay7にシートを抜去し、LHサージを誘起する目的でシート抜去後13時間から3μg/hの割合でE2を36時間持続投与した。Day7において、LHパルスの変化を調べる目的でシート抜去前6時間から抜去時まで10分間隔で、またLHサージの発現を調べる目的でE2持続投与開始前4時間から投与終了後12時間まで2時間間隔で採血を行った。[結果]Day7におけるLHパルス頻度は、P7群、P3群、およびP0群においてそれぞれ、2.8±1.5回/6h、3.0±0.7回/6h、6.8±1.0回/6hであり、P7群とP3群ではP0群と比較して有意に抑制された(p<0.01)が、P7群とP3群の間には有意な差は認められなかった(p>0.05)。一方、LHサージのピーク時間は、E2持続投与開始後、P7群、P3群、およびP0群においてそれぞれ、25.0±2.6 h、18.0±1.4 h、14.0±2.8 hであり、各群間で有意な差がみられた(p<0.05)。[まとめ]LHパルス頻度は3日間のP処置によってすでに7日間のP処置と同程度に抑制されているのに対し、E2投与開始からLHサージ発現までの時間は、P処置7日間の範囲においては、P処置期間の長さに依存して延長することが示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205715458688
  • NII論文ID
    130007023848
  • DOI
    10.14882/jrds.99.0.13.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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