マウス精子への酸化ストレスが体外受精における受精率に及ぼす影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Chemical oxidative stress is cause of low fertility of mouse sperm
説明
【目的】近年, マウス体外受精における受精率の改善を目的として, 様々な技術改良が行われている。これまでに私達は, シクロデキストリンを用いた精子の活性化や還元型グルタチオンの還元作用による卵子透明帯の形態変化が受精率を向上させることを報告してきた。これらの報告から, 酸化・還元作用が受精能決定因子になりうることが示唆され, 体外受精において酸化ストレスは受精能を低下させる要因の一つと考えられている。そこで本研究では, チオール選択的酸化剤である5,5-dithiobis 2-nitrobenzoic acid (DTNB)を利用して精子を化学的に酸化させることにより, 精子の酸化が受精能に及ぼす影響について検討した。【方法】体外受精には, C57BL/6系統の成熟雌あるいは雄マウスから採取した卵子または精子を使用した。精子への化学的酸化が受精能に及ぼす影響を調べるために, 0.75 mM DTNB含有あるいは不含有の精子前培養培地(0.75 mM methyl-β-cyclodextrin含有TYH)中で培養した。体外受精では, 卵子を体外受精培地(HTF)中へ導入し, 前培養した精子と共培養した。受精率は, 体外受精翌日に, 二細胞期胚数をカウントし算出した。次に, DTNB処理した精子の受精能を還元型グルタチオン(GSH)により回復できるかを調べるために, GSHを含有した体外受精培地を用いて体外受精を行った。【結果】DTNBを精子に処理することにより, 顕著に受精率の低下が起こった(control: 81.3% vs. DTNB: 42.0%)。また, DTNB処理による精子の受精能の低下は, GSHにより改善された (DTNB: 23.3% vs. DTNB + GSH: 92.3%)。これらの結果は, 精子の酸化が受精能低下の要因となり, 酸化ストレスにより低下した精子の受精能は, 還元剤により回復することを示している。本研究で得られた知見により, マウス体外受精において精子の酸化を防ぐことにより, 受精能低下を回避できることが示唆された。
収録刊行物
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- 日本繁殖生物学会 講演要旨集
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日本繁殖生物学会 講演要旨集 105 (0), 1061-, 2012
公益社団法人 日本繁殖生物学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205715628160
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- NII論文ID
- 130005457536
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可