成熟抑制薬を用いた牛卵子の長期体外成熟培養が胚発生成績に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Long-term maturation culture using the drugs that control oocytes maturation influence on the in vitro bovine embryonic growth outcome

抄録

【目的】牛生体から回収された卵子を体外成熟・受精・発生させるOPU-IVP技術の胚生産性を改善するために,各種成熟抑制剤を添加した培養液で牛卵子の成熟培養を行い,牛胚生産率に及ぼす効果を検討した。【方法】対照区では,食肉処理場あるいは経腟生体内卵子吸引法(OPU)で採取した卵子を用い,10%牛胎子血清加修正TCM-199 で約20時間成熟培養を実施した。体外受精は,と畜卵子で2種類,OPU卵子で4種類の種雄牛を用い,市販媒精液IVF110s(機能性ペプチド研究所)で8時間実施した。媒精後約90時間までの初期発生培養は修正CDM-1で,90時間以降の後期発生培養はIVD101(機能性ペプチド研究所)で行った。実験区では,試験1として,標準成熟液にIBMX 500μM,forskolin 100μMを添加した前成熟液で5-7時間,cilostamide 20μMを添加した成熟液で約30時間の二段階で成熟培養を行った。と畜卵子による試験は5回,OPUは5頭の雌牛で実施した。試験2では,成熟液にCPN 100nMを添加して成熟培養を約30時間行った。と畜卵子による試験は2回,OPUは5頭の雌牛で実施した。胚発生成績の評価は,媒精後48時間前後の分割率と6~8日目の胚盤胞への発生率で行った。【結果】試験1では,と畜卵子を用いた場合,2段階成熟培養法の分割率は対照区と違いがなかったが,供試胚当胚盤胞率(Bl.率)は23.5%で,対照区の32.0%よりも有意に低かった (P<0.01)。一方OPU卵子では,2段階成熟培養法の2細胞期以上への分割率は79.9%で,対照区の73.1%と比較して高い傾向 (P<0.10)であったが,Bl.率には差がなかった。試験2では,と畜卵子を用いた場合,CPN区のBl.率は44.8%で,対照区の34.1%よりも有意に高かった (P<0.05)。しかしながら,OPU卵子では,CNP添加区のBl.率は6.8%で,対照区の19.7%よりも有意に低かった (P<0.01)。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205715644672
  • NII論文ID
    130005457574
  • DOI
    10.14882/jrds.105.0_1065
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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