ウシ精子核DNAのメチル化およびミトコンドリアDNAコピー数と受胎性との関連

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of the relevance of bovine sperm DNA methylation level and mitochondrial DNA copy number, and fertility

説明

【目的】近年大きな問題となっているウシの低受胎率に対するアプローチとして,雄側における要因を探った。ヒトの不妊症患者では精子形成過程におけるDNAメチル化の異常や精子に存在するミトコンドリア(mt)DNAコピー数の異常が報告されている。そこで,雄牛の精子核DNAのメチル化レベルおよびmtDNAコピー数と受胎性との関連性を解析した。<br>【方法】家畜改良事業団から提供を受けた雄牛(黒毛和種・ホルスタイン種)63頭の血液(末梢血)および凍結精液,受胎性の低い雄牛(黒毛和種)5頭の凍結精液からDNAを回収した。DNAメチル化解析はCOBRA法により行い,ヒトでメチル化異常が報告されているインプリント遺伝子H19, PEG3, PEG10,初期発生に重要な遺伝子OCT4, NANOG,精子形成に関与する遺伝子DAZL,セントロメアに存在する反復配列Satellite I, IIおよびα-satellite,染色体上に散在性に存在する反復配列art2について解析を行った。mtDNAコピー数はリアルタイムPCR法を用いて,mtDNA上に存在する遺伝子のコピー数を核ゲノム上に存在する遺伝子のコピー数で割ることで細胞1個あたりのmtDNAコピー数を算出した。<br>【結果】解析したいずれの遺伝子についても,低受胎性の精液における顕著なメチル化の異常は検出されなかった。末梢血におけるmtDNAコピー数は個体によって最大10倍,精子では最大47倍の差があったものの,低受胎性の精子特有な異常は検出されなかった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205715810944
  • NII論文ID
    130005457618
  • DOI
    10.14882/jrds.105.0_1038
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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