ウシ体外受精胚の発生追跡による受胎成否予測因子の探索

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タイトル別名
  • Prognostic factors for selecting viable embryos identified by time-lapse cinematography

抄録

【目的】生育可能なウシ体外受精(IVF)胚盤胞の選択技術の開発を目的とし,Time-lapse cinematography(TLC)解析によるウシIVF胚の受胎成否予測因子の探索を行った.【方法】5-25個のOvum pick-up (OPU)-IVF胚を125µlの5%CS添加CR1aaのWell of the Well (WOW) 培養皿に導入し,168時間TLCにより体外発生過程を追跡した.得られた胚盤胞は仮親に移植した.移植した胚盤胞の第一卵割の割球数とタイミング,およびlag-phase(第4もしくは第5細胞周期に認められる胚発生の一時休止)の細胞周期,継続時間と開始時の割球数を解析し,受胎性との関係をロジスティック回帰により分析により分析した.【結果】Lage-phaseが観察された細胞周期およびその継続時間と受胎性に相関は認められなかった.第一卵割の割球数とタイミングおよびlag-phase開始時の割球数と受胎性に相関が認められた(P < 0.05).第一卵割のタイミングにおいて,27時間以前に卵割した胚の受胎率は44.1%(19/43),27.25時間以降に卵割した胚の受胎率は17.6%(3/17)であった.また,1細胞から一度に3-4細胞に卵割した胚では14.3%(2/14), lag-phase開始時の割球数が4-5個であった胚では10.0%(1/10)の受胎率であった. 一方,27時間以内に2割球に分裂し,さらにlag-phase開始時の割球数が6個以上であった胚の受胎率は59.2%(16/27)であった.以上,第一卵割の割球数とタイミングおよびlag-phase開始時の割球数が受胎成否の予測因子として有効であること,また複数の予測因子を組み合わせることで,より正確な受胎成否の予測が可能になることが示唆された.本研究は生研センター異分野融合研究支援事業の助成を受けた.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205715932288
  • NII論文ID
    130007024289
  • DOI
    10.14882/jrds.104.0.105.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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