Development of Cre/loxP System in transgenic rainbow trout

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  • ニジマスにおけるCre/loxPシステムを用いた導入遺伝子の発現制御システムの開発

Description

[目的]魚類受精卵へ導入した外来遺伝子は、プロモーター非依存的かつ一過的に多くの細胞で発現するため、毒素遺伝子を用いたcell targetingが利用できない。そこで、Cre/loxPを利用し、コンディショナルに毒素を発現させれば、当該細胞除去個体の大量生産が可能になる。遺伝子knock out個体の作製が困難な動物種では、本法を駆使した細胞除去が繁殖生理学研究の強力なツールとなると期待される。しかし、Cre/loxPの利用は細胞温度が比較的高い種に限られ、冷水魚への使用例はない。そこで本研究では、Cre/loxPがニジマス胚で機能しうるか解析した。[方法]全身で発現するHSC71遺伝子のプロモーターの下流にDsRed遺伝子をloxP配列で挟んだ状態で接続し、その下流にEGFP遺伝子を接続したベクターを構築した。得られたベクターをニジマス受精卵に顕微注入後、10℃で1年間飼育し、得られた精子を野生型の卵と受精させF1個体を作出した。得られた受精卵にCre mRNAを注入し、初期胚のDsRedとGFPの蛍光観察を行った。また、受精後40日の個体からゲノムDNAを抽出し、2つのloxP配列の外側に設計したプライマーを用いてPCRを行い、Cre酵素によるDsRed遺伝子の切り出しを確認するとともに、切り出し部位の塩基配列を解析した。[結果]遺伝子導入F1胚では全身でDsRedが発現していたのに対し、F1受精卵にCre mRNAを注入した胚では、全身または体の一部がGFP蛍光を発していた。また、これらの個体からのゲノムDNAを抽出しPCR解析と塩基配列解析を行った結果、全身でGFP蛍光が観察された個体ではDsRed遺伝子が除去されたDNA断片のみが、体の一部でGFP蛍光が観察された個体ではDsRed遺伝子が除去されたDNA断片と除去されていないDNA断片の両者が検出された。[考察]上記の結果から、本来37℃で機能するCre酵素が、飼育水温10℃のニジマスにおいても正常に機能しうると考えられた。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390001205716096768
  • NII Article ID
    130007024520
  • DOI
    10.14882/jrds.103.0.5.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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