黒毛和種雄子牛の精巣におけるニードルバイオプシーがその後の発育に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Evaluation of testicular biopsy in prepubertal bull

抄録

<p>【目的】種雄牛の供用開始には6年以上かかり,その選抜および育成には多くの労力と経費を要する。種雄牛候補牛の精巣における将来の不可逆的異常が早期に予測できれば,それ以降の選抜から除外することで,経費軽減が可能となる。ニードルバイオプシーは侵襲性が低い生検法として知られているものの,春機発動前のウシ精巣におけるニードルバイオプシーがその後の発育に及ぼす影響を検証した報告は見当たらない。そこで本実験では,その影響を超音波検査,サーモグラフィー検査,および組織学的検査により検証した。【方法】宮崎大学住吉フィールドにて飼養の黒毛和種雄子牛3頭を供試,採材は生後6日以内を0週齢とし4週齢,8週齢でニードルバイオプシーを行い,その後の発育に及ぼす影響を4週間後(8週齢)に検査した。鎮静後直ちに精巣の超音波検査を行いエコー輝度の変化を観察,陰嚢周囲長を測定,陰嚢を剃毛,消毒後に14Gバイオプシーニードルを用い右側精巣から組織を採取した。採取後,サーモグラフィーを用いて左右陰嚢の表面温度を比較した。採取した組織を10%ホルマリンで固定し,パラフィン包埋後4 μmで切片を作成,HE染色にて精細管15本あたりの直径の平均を計測した。【結果】8週齢においてエコー輝度の変化,陰嚢表面温度の左右非対称は認められず,陰嚢周囲長(10.66±0.23 cm : 平均±SD)および精細管直径(60.95±3.11 μm)ともに同週齢の無処置精巣と比較して差は認められなかった。以上より,ウシにおける生後4週齢でのニードルバイオプシーは,その後4週間の精巣組織の発育に影響を及ぼさないことが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205716321408
  • NII論文ID
    130007024835
  • DOI
    10.14882/jrds.109.0_or2-29
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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