Growth and fertilization of porcine fetal oocytes grafted under the renal capsules of nude mice

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  • 異種間移植によるブタ胎子卵巣の発育と卵の受精能

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【目的】これまで,生後20日齢のブタ卵巣をヌードマウスに移植すると,原始卵胞が胞状卵胞へ発育し,その卵は初期胚に到達し得ることを明らかにした(Kaneko et al. Reprod 2006, Theriogenology 2013)。今回は,胎子卵巣の卵が異種間移植によって受精能を獲得できるかを検討した。【方法】胎齢55(原始卵胞出現前),70(原始卵胞出現後)および90日のブタ卵巣を細切し,卵巣摘出したヌードマウスの腎皮膜下に移植した(F55,F70およびF90群と略)。対照として,生後20日齢の卵巣小片を移植した(N20群)。いずれの群のマウスも,膣開口後約60日にFSHによって卵胞発育を促進した後,移植卵巣を採取した。卵を移植卵巣から回収し体外培養系で受精能を調べるとともに,卵巣の一部を組織学的に解析した。また移植卵巣の機能変化を推定する目的で,マウスの末梢血中インヒビンを測定した。【結果】移植前の胎齢55日卵巣では生殖細胞のほとんどがnestを形成し,原始卵胞に含まれるものは0.1%以下であった。原始卵胞卵の割合は胎齢70日で2%,90日で7%,生後20日齢で92%に上昇した。F90群の移植卵巣にはN20群と同じく多数の胞状卵胞が発育したが,F55群では僅かな胞状卵胞のみ認められた。F70,F90およびN20群の血中インヒビン濃度は10 ng/ml以上であったが,F55群では1 ng/mlを示し,卵胞の発育状況に一致した。マウス1匹あたりのブタ卵(直径115 μm以上)の平均回収数はそれぞれ,0.1(F55群,n=8),27(F70群,n=7),38(F90群,n=9)および58(N20群,n=6)であった。体外成熟後,F70群のマウス1匹あたりの成熟卵数は6,F90およびN20群では20前後であった。体外受精後,上記3群の卵では,精子侵入および雌雄の前核形成が観察された。以上から,胎齢70日以降の卵巣からは,異種間移植によって,受精能を持つ卵が得られることが明らかとなった。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390001205716582272
  • NII Article ID
    130005492043
  • DOI
    10.14882/jrds.108.0_p-107
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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