発情周期を回帰する雌シバヤギにおける短期間の高栄養処置が卵巣活動および性ホルモン分泌に及ぼす影響

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タイトル別名
  • The effects of short-term nutritional supplementation on ovarian activity and the secretion of reproductive hormones in cycling Shiba goats.

抄録

[目的]雄ヒツジでは短期間の高栄養処置により性腺刺激ホルモン分泌が亢進することが報告されている。そこで,本研究では雌シバヤギを用いて発情周期の黄体期から卵胞期にかけて7日間の高栄養給餌を行い,卵胞発育や排卵,黄体形成および性ホルモン分泌に及ぼす影響について検討した。[材料と方法] 正常な発情周期を営む雌シバヤギの排卵日をDay0とし,Day7からDay13まで,対照群(n=3)には維持要求量を給餌し,処置群(n=3)には維持要求量の2.5倍を最高量とする飽食処置を行った。Day10にプロスタグランジンF(PGF)を筋肉内注射し,PGF投与前24hと投与後24hから10分間隔6時間の頻回採血を行い,黄体形成ホルモン(LH)のパルス状分泌の変化を調べた。また,栄養状態および内分泌状態を解析するためDay0(第1回排卵)からPGF投与後に観察された排卵(第2回排卵)に続く排卵(第3回排卵)まで連日採血を行った。さらに卵胞および黄体の変化を超音波画像検査により隔日で調べた。体重は1週毎に測定した。[結果]Day0と比較した体重増加量はDay7およびDay14において対照群よりも処置群で有意に高く,血中グルコース濃度はDay8およびDay9に処置群で有意に高い値を示した。LHパルス頻度はPGF投与前においては両群ともに0?1回/6h,PGF投与後24hにおいては対照群で3?4回/6h,処置群で4?5回/6hであり,両群間に有意な差は認められなかった。第2回排卵時における排卵数は対照群(2.7±1.2)と処置群(2.3±1.2)で有意な差はなく,第3回の排卵数についても対照群(2.7±1.2)と処置群(3.7±2.1)で有意な差は認められなかった。第2回排卵後における黄体直径,血中プロジェステロン濃度についても両群間に有意な差は認められなかった。[まとめ]黄体期から卵胞期における7日間の高栄養処置は,体重およびグルコース濃度を増加させるが,性ホルモン分泌および卵巣活動には影響を及ぼさなかった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205716670208
  • NII論文ID
    130007025241
  • DOI
    10.14882/jrds.99.0.49.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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