水素偏在被覆管を備えた未照射燃料による反応度事故模擬実験

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タイトル別名
  • RIA-simulation Experiments on Non-irradiated Fuel Rods with Hydride-localized Cladding

抄録

反応度事故時における高燃焼度燃料のPCMI破損を模擬することを目的として,水素化物リム(被覆管外面側の水素化物析出領域)を有する被覆管を備えた未照射燃料を対象としたパルス照射実験をNSRRにおいて実施した。ピーク燃料エンタルピ240∼970 J/g(57∼371 cal/g)の範囲で行った19回の実験のうち7実験において被覆管が破損し,軸方向に長い割れが生じた。破損時燃料エンタルピは190∼445 J/g(95∼106 cal/g)であり,高燃焼度PWR燃料と同様に破損に至るまでの被覆管表面温度の上昇は小さかった。照射後の金相試験において,水素化物リム領域では径方向に割れが生じ,内面側では45度の角度を有する亀裂が観察された。破損した被覆管の状態および亀裂の形態は高燃焼度PWR燃料におけるPCMI破損の場合と類似していることから,水素偏在被覆管を備えた未照射燃料を用いて高燃焼度燃料のPCMI破損を模擬することができると考えられる。歪ゲージを用いて測定した被覆管表面の周方向歪は,ペレット熱膨張に基づいて評価した挙動とよい一致を示しており,PCMIにおける被覆管の変形にはペレット熱膨張が支配的な要因であると考えられる。本実験の結果は,PCMI破損においてFPガスの寄与が小さいことを示唆するものである。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205716874112
  • NII論文ID
    130007025432
  • DOI
    10.11561/aesj.2005s.0.384.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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