鉛同位体比から見た日本の戦国時代における鉛の流通
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- 平尾 良光
- 別府大学
書誌事項
- タイトル別名
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- Trading of Lead During the Warring State Period in Japan from the View Point of Lead Isotope Ratios
説明
1533年に灰吹き法という鉛を用いる銀製錬法が導入され、また1543年に火縄銃という武器がもたらされた。この2つの事実に共通する材料は鉛である。そこで、戦国時代に利用された鉛の産地を明らかにするために、発掘資料の中から、一般資料(分銅、キセル、簪など)やキリスト教用品、各地の戦跡から鉛玉などを得て、鉛同位体比を測定した。その結果、少なくともその40%は中国や東南アジア産などの外国産鉛であった。タイにおける現地調査で東南アジア産の鉛はタイ国カンチャナブリ県のソントー鉱山産(バンコクから北西約250km)であることが判明した。佐渡金銀鉱山や石見銀鉱山で利用された鉛は日本産材料であり、利用されたそれぞれの鉛鉱山が判ってきた。鉄砲玉と銀製錬に利用された鉛の産地が系統的に異なっていることは日本史の中で何を示唆しているのであろうか。
収録刊行物
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- 日本地球化学会年会要旨集
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日本地球化学会年会要旨集 59 (0), 327-, 2012
一般社団法人日本地球化学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205731928320
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- NII論文ID
- 130004593743
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可