ヒスイの総合的研究
書誌事項
- タイトル別名
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- Synthetic research of jade
抄録
1 はじめに<BR> 我々、人類はヒスイを遠い昔から勾玉などの装飾品として利用してきており、非常に身近な宝石である。そのヒスイとは大きく2種類に分けることができる。硬玉と軟玉である。前者はヒスイ輝石(jadeite)とオンファサイト輝石(omphacite)とを主要構成鉱物とする鉱物である。後者の軟玉とは角閃石の一種である。一般に、我々がヒスイと呼び、宝石として珍重しているのは前者の硬玉である。今回、我々は前者の硬玉(以下、ヒスイと呼ぶ場合は硬玉をさす。)にしぼり、緑色ヒスイの着色原因を探った。また、微量元素組成分析により産地における差異を見出し、考古遺物の移動を考える指標をつくることを目的とした。<BR><BR> 2 試料及び、実験方法<BR> 緑色ヒスイの着色原因を探るために、試料として産地を問わず緑色を呈しているヒスイを用いた。緑色を呈している部分と白色を呈している部分の差異及び濃緑色を呈している部分と薄緑色を呈している部分との差異を粉末X線回折装置(XRD)及びEPMAを用いて探った。また、紫外・可視・近赤外拡散反射分光装置にて測定し、その着色している原因となっている遷移元素の特定を試みた。さらに地域差を見出すために、試料として外国産を含む日本国内における複数の産地のヒスイを用いて、それらをフッ化水素酸で溶解し、ICP-AESで微量元素測定を行った。<BR><BR>3 結果及び考察<BR> XRDとEPMAによる緑色を呈している部分と白色を呈している部分の比較の結果、白色を呈している部分はヒスイ輝石から成っていることがわかった。さらに、濃緑色を呈している部分と薄緑色を呈している部分との比較により、薄緑色を呈している部分はヒスイ輝石から成っている場合が多く、濃緑色を呈している部分はオンファサイト輝石から成っていることが多いことが確認できた。<BR> また、紫外・可視・近赤外拡散反射分光装置による測定結果から薄緑色を呈している部分の着色原因はCr3+によるものであると推定できた。そして、濃緑色を呈している部分の着色原因としてはCr3+もしくはFeに関わるものであることがわかった。なお、濃緑色を呈している部分の着色原因及び微量元素による地域差に関しては現在、研究を継続中である。<BR>
収録刊行物
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- 日本鉱物学会年会講演要旨集
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日本鉱物学会年会講演要旨集 2003 (0), 151-151, 2003
一般社団法人 日本鉱物科学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205732214016
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- NII論文ID
- 130007040032
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可