自然水および下水処理水中の微量金属の溶解性に及ぼす溶存有機物の分子特性の影響

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タイトル別名
  • Effect of molecular properties of dissolved organic matter on trace metal solubility in natural waters and wastewater effluents

抄録

水圏における微量金属の反応性、生物利用性および移動性は、溶存有機物(DOM)との錯形成に強く支配されることが知られている。自然水および下水処理水中の微量金属の溶解性とDOMの分子特性との関係について明らかにするために、相模川流域においてモニタリング調査を行った。採取・分析した全試料について、溶存態の銅および鉄の各濃度(溶存有機態炭素濃度で標準化した値)と、DOMの芳香族性を表す光学指標であるSUVA254との間に、強い正の相関が認められた。化学平衡スペシエーションモデルによる計算の結果、多くの試料において、これらの溶存態金属の大部分はDOM錯体として存在していると推定された。以上のことから、環境条件が異なる様々な自然水および処理水において、単位量のDOMと錯形成する微量金属(銅, 鉄)の量は、DOMの芳香族性により一義的に規定されることが明らかとなった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205735702144
  • NII論文ID
    130005492319
  • DOI
    10.14862/geochemproc.62.0_263
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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