縞状鉄鉱石中の窒素・鉄同位体組成が示す始生代海洋表層における窒素サイクルとその変動
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- 橋爪 光
- 大阪大学
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- ピンティ ダニエレ ルイージ
- 東京大学
書誌事項
- タイトル別名
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- The fluctuation of nitrogen cycle at the surface of the Archean ocean deciphered from band-to-band N and Fe isotope studies in a banded iron formation.
説明
縞状鉄鉱床(BIF)の鉄とシリカの互層がどのようにして出来たのか大きな謎である。私たちは、この互層に原始海洋を特徴付ける環境変動の様子が記録されていると考え、この研究に取り組んでいる。私たちは27億年の年代を示す南インド産のBIFを用い、窒素・鉄同位体を分析した。BIFを磁気テープに見立て、その記録を読み解くため、鉄あるいはシリカを主とする層を単離し、10枚の層で同じ分析を行った。本研究の最も重要な発見は、d15Nとd56Feが層ごとに変動しており、両者の間に正の相関を示すことである。シリカ層形成期に15Nに富む有機物が大量に存在し、それらがFe(III)と反応し、酸化鉄が溶失したことによりシリカ層が出来たと説明する。海洋表層における窒素サイクルの、おそらくは、千年単位の生産性の揺らぎがBIFの縞模様という形で記録されているのではないかと提案する。
収録刊行物
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- 日本地球化学会年会要旨集
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日本地球化学会年会要旨集 61 (0), 64-, 2014
一般社団法人日本地球化学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205736290688
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- NII論文ID
- 130005482359
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可