クライオピリン関連周期熱症候群(cryopyrin-associated periodic syndrome)の1家系例

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タイトル別名
  • A Family Case of Cryopyrin-associated Periodic Syndrome
  • クライオピリン カンレン シュウキ ネツ ショウコウグン cryopyrin associated periodic syndrome ノ 1 カケイレイ

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抄録

京都市在住の12歳男児.生後3日目より蕁麻疹様紅斑が出現.皮疹は寒冷刺激によって増強し,移動性で色素沈着を残さない.明らかな精神発達遅延や関節炎症状は認めないが,低身長があり,皮疹増悪時には頭痛と倦怠感を伴う.末梢血白血球数は好中球優位の上昇(15.8×109/L,74%)を示し,CRP高値(4.4 mg/dL)を認めるが,腎機能は正常である.父親にも同様の症状があり,加えて感音性難聴を認める.クライオピリン関連周期熱症候群(cryopyrin-associated periodic syndrome)と臨床診断し,同意を取得後CIAS1遺伝子の検索を行い,男児と父親からR260W(778C>T)の変異を同定した.本邦で今日までに報告されている本症の家系例は,1976年に玉置らによってMuckle-Wells症候群として報告された1家系および,1987年に山下らによって家族性寒冷蕁麻疹として報告された1家系の2家系のみであり,自験例は本邦での3家系目の報告であるとともに,CIAS1遺伝子変異を同定し得た本邦での最初の家系例である.

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参考文献 (13)*注記

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