書誌事項
- タイトル別名
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- Clinicopathological Study of 132 Cases of Metastatic Skin Tumor; A Single Center Study
- ナイゾウ アクセイ シュヨウ ノ ヒフ テンイ 132レイ ノ リンショウ ビョウリガクテキ ケントウ
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説明
転移性皮膚腫瘍の統計は本邦でも報告があるが,剖検例や皮膚科単科で集計したものがほとんどである.今回,我々は当院の全診療科を対象に,内臓悪性腫瘍から皮膚に転移した132例について集計を行った.皮膚転移が診断された時点での患者の平均年齢は62.4歳であった.原発巣は乳癌(23.4%),肺癌(12.8%),大腸癌(10.6%)に多くみられた.発症部位は胸部が最も頻度が高かった(31.2%).原発巣不明の皮膚転移7例(5.3%)中6例(85.7%)は頭頸部に発生しており,多くは肺癌が原発巣として疑われた.臨床像では,結節・腫瘤像を示すものが多かったが(51.8%),びらん,潰瘍を呈するものも12.1%にみられた.病理組織学的には,腺癌が最も多く(66.7%),次に扁平上皮癌(22.0%)が続いた.未分化癌も8例みられた.また原発巣が病理組織学的に確定診断されてから皮膚転移が出現するまでの期間は,平均29.8カ月であった.皮膚転移発見後の平均生存期間は14.6カ月であった.この中で乳癌は,29.9カ月と他の癌に比べ生存期間が長い傾向がみられた.皮膚転移出現時に他臓器に転移がある群では,皮膚転移のみの群(23.7カ月)より平均生存期間が短かった(8.5カ月).近年,集学的な治療の進歩により,悪性腫瘍は生存率の向上がみられる.それに伴い,様々な内臓悪性腫瘍の皮膚転移に遭遇する機会も増えると予測される.皮膚科医にとって,転移性皮膚腫瘍の診断と予後をできるだけ正確に理解することは重要と考えた.
収録刊行物
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- 日本皮膚科学会雑誌
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日本皮膚科学会雑誌 120 (11), 2213-2217, 2010
公益社団法人 日本皮膚科学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205736604032
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- NII論文ID
- 130004708710
- 10027732361
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- NII書誌ID
- AN00196602
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- ISSN
- 13468146
- 0021499X
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- NDL書誌ID
- 10852983
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可