ソラフェニブによる手足皮膚反応(hand foot skin reaction)

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タイトル別名
  • Hand-foot Skin Reactions in Patients Treated with Sorafenib
  • ソラフェニブ ニ ヨル テアシ ヒフ ハンノウ hand foot skin reaction

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抄録

ソラフェニブは進行期腎細胞癌に対する分子標的治療薬として2008年4月に発売されたが,臨床試験の段階でも高率に副作用として皮膚症状をきたすことが報告されていた.今回,当院で2008年4月から11月までに進行期腎細胞癌に対しソラフェニブを投与された患者の手足皮膚反応を中心とした皮膚症状について検討した.症例数は8例(男性7例,女性1例)で,年齢は53歳~75歳(平均年齢65歳)であった.そのうち7例で手足皮膚反応を認めた.自覚症状の程度は軽度のしびれ感から足底の疼痛による歩行困難まで様々であった.病理組織学的には全例で角化細胞の帯状または個別壊死および真皮上層の血管拡張を認めた.真皮上層の単核球浸潤も高率にみられたが,浸潤細胞は少数であった.治療はステロイドの外用やビタミンB6の内服とともに,重症度に応じてソラフェニブの減量を行ったところ,7例中6例でソラフェニブの継続投与が可能であった.現在,ソラフェニブの使用頻度は増加しており,今後,副作用としての皮膚症状も増加することが予測されることから,ソラフェニブ投与患者の診察では常に副作用を念頭において注意深く観察し,副作用がみられた場合には早急に対応することが必要である.

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