メラノーマの診断,治療の最新情報

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メラノーマ(悪性黒色腫)の診断と治療に関する最近の研究成果を紹介した.診断に関してはmelanoma in situを中核とする早期病変の概念が確立されたことが,予後の改善に大きな意義を有する.Dermoscopy所見上,足底のメラノーマの早期病変はparallel ridge patternと呼ばれる皮丘に強い独特な色素沈着を示し,診断確定に役立つ,tumor thicknessの術前評価法として2mmより薄い原発巣の場合には高周波エコーが,それより厚い場合にはMRIが有用である.治療に関しては,原発巣の切除範囲が縮小され,厚さが1mmまでの早期病変であれば1cm程度離しての全摘でほぼ完治させることができる.論争が続いていた予防的リンパ節郭清に関してはsentinel node biopsyの考え方が提案され,注目を集めている.進行期症例の治療法としては,抗estrogen剤のtamoxifenを併用するレジメン(欧米ではDartmouth regimen,本邦ではDAC-Tam療法)でかなり高い奏効率が報告されている.また,cisplatinを主体とする化学療法に引き続いてIL-2とIFN-αを投与するsequential biochemotherapyにて高い完全寛解率がえられ,長期生存例もかなりみられており,注目される.しかし,これらのいずれのレジメンについても最近,効果を疑問視する無作為割り付け試験が報告されており,今後さらに検討を要する.メラノーマの新薬としてはtemozolomideが有望視されている.その他,メラノーマにおける染色体・遺伝子異常,免疫療法,遺伝子治療などにつき近況と展望を記載した.

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