多形日光疹およびその誘発皮疹の組織学的検討

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光線テストにより多形日光疹と診断した9例について,原病巣と誘発皮疹を病理組織学的に検討した.誘発はUVBの2MED(minimal erythema dose,最小紅斑量)の反復照射でおこなった.原病巣の表皮には,5例に海綿状態を,7例に軽度の液状変性を認めた.誘発皮疹では,6例に海綿状態,8例に液状変性を認めた.症例ごとの組織所見の再現性をみると,表皮では液状変性が8例で一致していたが,それ以外の所見は一致例が3例以下であった.真皮には,原病巣,誘発皮疹とも血管周囲性にリンパ球を主とする稠密な細胞浸潤が全例に認められ再現性も高かった.真皮の細胞浸潤のみならず,表皮の液状変性はPLEに特徴的な所見と思われた.また海綿状態と合わせて発症機序解明のためにも,本症において表皮変化は重要であると考えられた.

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