皮膚科領域における反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)(complex regional pain syndrome type I)

書誌事項

タイトル別名
  • Reflex Sympathetic Dystrophy (Complex Regional Pain Syndrome Type 1) in Dermatology
  • ヒフカ リョウイキ ニ オケル ハンシャ セイコウカン シンケイセイ ジストロフィー(RSD)(complex regional pain syndrome type Ⅰ)

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抄録

反射性交感神経性ジストロフィー(reflex sympathetic dystrophy, RSD)の2例を報告した.症例1,54歳女,左第2指先端の毛細血管拡張性肉芽腫摘出後,1カ月で発症.症例2,32歳女,特に誘因なく左第1趾に発症.ともに患指趾の持続的で高度な疼痛,運動制限,腫脹,発赤,痛覚過敏を呈した.症例1はシーネ固定,運動療法,症例2は交感神経ブロックなどでともに発症後約1年で軽快した.RSDは皮膚科医が遭遇することは極めて稀であるが,診断が遅れると症状は非可逆性となり患者に強い苦痛を与える.皮膚科領域では指趾の小手術または生検後,帯状疱疹後,また悪性腫瘍や膠原病に随伴してRSDの発生が報告されており,また腫脹,発赤,冷感,発汗異常,爪・発毛の異常などRSDの皮膚症状を主訴に皮膚科を受診する可能性がある.RSDでは早期診断,早期治療が予後に大きく関わるため,皮膚科医も十分な認識を持つべき疾患である.反射性交感神経性ジストロフィー(reflex sympathetic dystrophy, RSD)はペインクリニックの領域では難治性疼痛をきたす代表的疾患であるが,皮膚科医が遭遇することは極めて稀である.しかし,早期診断,早期治療が予後に大きく関わるため,皮膚科医も十分な認識を持つべき疾患でもある.今回当科で経験したRSDの2例を報告する.

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参考文献 (13)*注記

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