結晶性クリオグロブリン血症

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タイトル別名
  • ケッショウセイ クリオ グロブリン ケッショウ
  • [Crystalglobulinemia].

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説明

72歳女子の顔面,耳介及び下肢に出血性壊死性皮膚病変を生じた IgG-k 型骨髄腫に伴った結晶性クリオグロブリン血症の1例を報告した. 本症例の血清は4 °C,24時開静置により針状結晶を生ずる.結晶は monoclonal IgG-k 型により構成され,その形状は電顕的には6方向に突起を有する外径約20.7nm,内径約10.3nmの管状構造物の東状の集合体よりなる.真皮血管内には電顕にて血清内と同一の結晶とフィブリンによる閉塞像が認められるほか,好中球及び単球による結晶の貪食を示す所見か得られた,蛍光抗体法では血管壁に IgG , IgA の存在が認められたが, IgM , C3 は見出されず,血管腔内には多量のフィブリノーゲンのみがみられた.皮疹の発生機序としては,免疫学的機序ではなく,血管内腔の,クリオグロブリン結晶とフィブリンによる閉塞という物理学的機序が推察された.

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