顔面播種状粟粒性狼瘡の臨床的観察および結核ワクチン療法について

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  • ガンメン ハシュジョウ ゾクリュウセイ ロウソウ ノ リンショウテキ カンサツ オヨビ ケッカク ワクチン リョウホウ ニ ツイテ

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顔面播種状粟粒性狼瘡は皮膚結核に属し,結核疹の一つの型として分類されている疾患である.1878年Tilbury,Foxによつて命名されて以来数多くの報告があり,本邦においては1915年(大正4年)土肥(章)がその第1例を記載している.本症に興味のあることは,結核疹でありながら結核化学療法が比較的効果がないとされているところにある.多くの結核患者の菌を陰性化させてきた抗結核薬(一次抗結核薬,二次抗結核薬をふくめて)に抗療する本症が,はたして結核か否かということについて,しばしば論議されてきた理由の一つはここにあるといえよう.私どもの教室では皮膚結核患者にたいして20数年来結核ワクチン療法をおこなつてきているが,真性皮膚結核,結核疹のいずれにも有効,そのうちとくに顔面播種状粟粒性狼瘡には著効をしめしている.さきに教室の松浦が本症に関して詳細な報告をおこなつているが,私どもは昭和36年4月より昭和40年12月までの4年9カ月のあいだに本症82例を観察し,いろいろな角度から検討することができたので,それらについて述べてみたいとおもう.

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