光パッチテストの基礎的研究-とくに光毒性と光アレルギー性との反応の場の比較-

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  • ヒカリ パッチ テスト ノ キソテキ ケンキュウ トクニ ヒカリ ドクセイ ト

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抄録

光毒性反応( PTR と略す)と光アレルギー性反応 ( PAR と略す)との違いを,光パッチテスト( PPT と略す)を用い,物質濃度( X 軸),必要な光量( Y 軸)および反応の強さ( Z 軸)の3つの方向から定量的に分析した. 1)PPT では PTR も PAR も X, Y, Z に関する立体面を作ることが出来た. 2)PTR も PAR も X および Y に関して,物質に応じて夫々域値が存在した.これは PTR および PAR に固有であるが,また多少の個人差があった.個々の物質については PTR の域値は PAR のそれより一般に高かった. 3)X および Y 面上にこの域値をたどると境界線 (Borderline,以下 BL と略す)を画く事が出来た,この BL は PTR では X および Y に対し斜走し, PAR ではX あるいは Y に平行し,結果として釣形を画いた. 4)両反応の域値の差を利用して,両者を PPT で区別するのに適当な濃度および光量を決めた.すなわち濃度および光量(東芝FL 20S-BLB を用い,照射率は全波長について6.0mW・cm-2 に固定し,光量は照射時間で示す)は Chlorpromazine (CPZ と略す)では(1X10-2%,12分),またBithionol (BT と略す), 3, 4’,5-Tribromosalicylanilide( TBS と略す),および 3,5-Dibromosalicylanilide (3,5-DBS と略す)ではいずれも (1%,3分)であった.ピッチについては PAR の症例がなかったので正確な結果は出せなかったが,(1×10-1%,18分)が考えられた. 5)PTR では光量および物質の濃度の増加とともに PPT の反応の強さは段階的に増強した.一方 PAR では悉無律に従って突然強い反応を示した.

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