レイノー症状を有する膠原病および膠原病類縁疾患患者に対する5-HT2レセプターブロッカー投与前後の血漿セロトニン濃度および加速度脈波の変動

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レイノー症状は,膠原病患者で高頻度に出現する症状の一つであるが,その発症には血管の攣縮や血小板の凝集が関与しているのではないかと考えられている.レイノー症状によってもたらされる末梢循環不全は,手指などの末梢組織に悪影響を及ぼす.そこで,末梢循環不全を改善させるために種々の血管拡張剤,あるいは血小板凝集抑制剤などが用いられている.最近,セロトニンレセプターである5-HT2レセプターに対するブロッカーである塩酸サルポグレラートが末梢循環不全の患者に有効との報告がされている.塩酸サルポグレラートの様な5-HT2レセプターのブロッカーが有効であるとすれば,その効果は循環動態の変化と関連している可能性がある.そこで,加速度脈波計を用いてその有効性を客観的に判定できるかを検討した.末梢循環の指標となりうる加速度脈波のd/a値は内服後は内服前より有意に上昇していた(p=0.0037).また内服後の血漿中のセロトニン濃度は有意に減少しており(p=0.0086),内服の効果が認められた.加速度脈波計は,末梢循環改善薬などの治療効果判定の客観的指標になりうるものと判断した.

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