インターネットで利用可能な適応型言語能力検査(ATLAN) : 文法・談話検査の開発とその評価

書誌事項

タイトル別名
  • Development and Evaluation of a Grammar and Discourse Subscale of the ATLAN :(Adaptive Tests for Language Abilities)
  • インターネット デ リヨウ カノウ ナ テキオウガタ ゲンゴ ノウリョク ケンサ(ATLAN) : ブンポウ ・ ダンワ ケンサ ノ カイハツ ト ソノ ヒョウカ

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抄録

筆者らはこれまで,インターネットで利用可能な適応型言語能力検査(ATLAN)として,語彙,漢字の2つの検査を開発してきた。本研究ではその下位検査として新たに作成した文法・談話検査について,その特徴と妥当性を検討した。最初に本研究で測定しようとする文法・談話の能力について先行研究に基づき定義を行った。研究1では,この定義をもとに小学生を対象とする課題として8種類の問題タイプについて計67課題を作成,これを2つの版に分けて小学1〜3年生309名に実施した。また幼児を対象とする課題として12種類の問題タイプについて計67課題を作成,これを2つの版に分けて幼稚園児258名に実施した。項目特性曲線のデータとの当てはまりの程度を考慮し,最終的に128項目を項目プールとして選定し,文法・談話検査としてATLANに追加実装してインターネットを介してWebで利用できるようにした。次に研究2において,妥当性を検討するために,ATLAN語彙,文法・談話検査とLCスケール(大伴・林・橋本・池田・菅野,2008)を幼稚園児59名に実施した。ATLAN2検査を説明変数,LCスケール得点を目的変数とする重回帰分析を行った結果,2課題で目的変数の分散の48%が説明されることが示された。最後に,ATLAN文法・談話検査について残された課題について論じ,ATLANの今後の拡充方針について解説した。

収録刊行物

  • 発達心理学研究

    発達心理学研究 23 (3), 343-351, 2012

    一般社団法人 日本発達心理学会

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