部活動への取り組みが中学生の学校生活への満足感をどのように高めるか : 学業コンピテンスの影響を考慮した潜在成長曲線モデルから

書誌事項

タイトル別名
  • Participation in Extracurricular Activities and Students' Satisfaction with Junior High School : A Latent Growth Curve Model
  • ブ カツドウ エ ノ トリクミ ガ チュウガクセイ ノ ガッコウ セイカツ エ ノ マンゾクカン オ ドノ ヨウ ニ タカメル カ ガクギョウ コンピテンス ノ エイキョウ オ コウリョ シタ センザイ セイチョウ キョクセン モデル カラ

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抄録

本研究の目的は, 学業に対する自信が学校生活に対する意識に強く影響を与えるとされている中学生において, 部活動で主体的・積極的に活動するなかで達成感を得ていくことが, どの程度中学生の学校生活への満足感を高めうるのかを検討することである。関東地方の公立中学校1∿3年生を対象に1999年7月∿2001年2月の間, 毎年2回, 計4回の質問紙調査を実施した。そのうち, 全調査の有効回答者となった中学1年生131名を分析対象とした。潜在成長曲線モデルによる分析の結果, 以下の点が示された。各時期での『部活動での積極性』が高いほど, その時期の『学業コンピテンス』や『学校生活への満足感』が高かった。また, 第1回調査の『部活動での積極性』が高いと, その後, 『学校生活満足感』がより大きく伸びる可能性が示された。ただし, 『部活動での積極性』の伸びを規定する要因には, それまでの『学業コンピテンス』や『学校生活満足感』が含まれた。これらの結果から, 部活動で積極的に活動できていることは, その時点での中学生の学校生活への満足感の高さと関連するだけでなく, 学校生活への満足感を時期を追って高めることにつながる可能性が示唆された。さらに, これは, 学業コンピテンスの高さやその変化を考慮したうえでも成り立つことが示された。

収録刊行物

  • 発達心理学研究

    発達心理学研究 16 (1), 26-35, 2005

    一般社団法人 日本発達心理学会

被引用文献 (1)*注記

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