大学生のアイデンティティの変化と主体的な学習態度の変化の関連:大学新入生の前期課程に着目して

  • 畑野 快
    大阪府立大学高等教育開発センター
  • 原田 新
    徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部

書誌事項

タイトル別名
  • The Correlation between Changes in Identity and Active Learning during the Freshman Year of University Studies
  • ダイガクセイ ノ アイデンティティ ノ ヘンカ ト シュタイテキ ナ ガクシュウ タイド ノ ヘンカ ノ カンレン : ダイガク シンニュウセイ ノ ゼンキ カテイ ニ チャクモク シテ

この論文をさがす

抄録

本研究の目的は,大学新入生の前期課程に着目し,アイデンティティを中核的同一性,心理社会的自己同一性に分離して捉えた上で,大学生の心理社会的自己同一性と主体的な学習態度の変化の関係を明らかにすることであった。そのために,大学1年生437名(男性221名,女性212名,性別不明4名)を対象に4月と7月の2時点で縦断調査を実施した。まず,中核的同一性,心理社会的自己同一性および主体的な学習態度の可変性について確認するため,2時点における平均値の変化をt検定によって確認したところ,全ての変数の平均値は有意に低下していた。次に,3つの変数の2時点における相関係数を算出したところ,中核的同一性では高い相関係数が得られたことに対して,心理社会的自己同一性,主体的な学習態度の相関係数は中程度であった。さらに,潜在変化モデルによって中核的同一性,心理社会的自己同一性と主体的な学習態度の変化の関係を検討したところ,中核的同一性の変化と主体的な学習態度の変化との間には有意な関連が見られなかったものの,心理社会的自己同一性の変化と主体的な学習態度の変化との間に有意な正の関連が見られた。最後に,心理社会的自己同一性を向上させるための支援の方策について議論を行った。

収録刊行物

  • 発達心理学研究

    発達心理学研究 26 (2), 98-106, 2015

    一般社団法人 日本発達心理学会

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ