両側精巣悪性リンパ腫の1例

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  • A case of bilateral testicular malignant lymphoma

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抄録

<p>両側性に発症した精巣悪性リンパ腫の1例を経験した。症例は72歳,男性。左陰嚢内容の無痛性腫脹を主訴とし来院。画像検査にて両側精巣腫瘍,後腹膜リンパ節転移が疑われ,両側高位精巣摘除術を施行。病理組織診断にてびまん性大細胞型B細胞リンパ腫と診断された。本症例は超音波検査において,右精巣は病巣を示す低エコー域と正常組織の境界は比較的明瞭,白膜の連続性は保たれていた。一方,左精巣は境界不明瞭な低エコー域が斑状に散在,白膜の連続性は途絶し輪郭は不整であった。これらの所見は精巣組織の壊死の程度や腫瘍の白膜及び精巣上体への浸潤を反映したものと思われた。カラードプラ法では両側に悪性リンパ腫の所見とされる豊富な血流信号を認めた。陰嚢内容超音波検査を行う上で,精巣内部の観察と共に精巣の輪郭や白膜の連続性の観察,及びカラードプラ法での血流評価は重要であると思われた。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 66 (6), 696-702, 2017

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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