育児への負担感・不安感・肯定感とその関連要因の違い : 未就学児を持つ母親を対象に

書誌事項

タイトル別名
  • Factors Related to Negative and Positive Feelings about Child-rearing: A Survey of Mothers of Young Children
  • イクジ エノ フタンカン フアンカン コウテイカン ト ソノ カンレン ヨウイン ノ チガイ ミシュウガクジ オ モツ ハハオヤ オ タイショウ ニ

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抄録

本研究の目的は,末就学児を持つ母親の抱く育児への否定的・肯定的感情とその関連要因について明らかにすることである。子どもを首都圏の幼稚園・保育所に通わせる母親に質間紙調査を行い,有効であった733名の回答に基づいて分析を行った。育児への否定的・肯定的感情に関する項目として,住田・中田(1999)の尺度を用い,確認的因子分析を行った結果,育児への「負担感」「育て方/育ちへの不安感」「肯定感」とに分かれることが確認された。そして,各々の関連要因について分析を行った結果,主に以下のことが明らかになった:(1)「負担感」は,末子の年齢が高いほど高く,夫や園の先生・友人らのサポートが多いほど低い。また,幼稚園群の方が保育所群よりも,専業主婦の方が有識者よりも高い傾向が見られる。(2)「育ちへの不安感」は男児を持つ母親で高い傾向にあり,「育て方への不安感」は夫からのサポートが多いほど低い。「育て方/育ちへの不安感]ともに情報サポートが多いほど高い。(3)「肯定感」は,夫や園の先生・友人らのサポートが多いほど高い。以上,「負担感」「育て方/育ちへの不安感」「肯定感」の関連要因は一部重複しつつも,それぞれに違いがあることが確認された。

収録刊行物

  • 発達心理学研究

    発達心理学研究 19 (2), 87-97, 2008

    一般社団法人 日本発達心理学会

被引用文献 (2)*注記

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