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- 鹿子木 康弘
- 京都大学大学院教育学研究科
書誌事項
- タイトル別名
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- The Nature and Transformations of Prosociality in Early Life
- ハッタツ ソウキ ニ オケル コウ シャカイセイ : ソノ セイシツ ト ヘンヨウ
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説明
我々は生まれながらにして向社会的なのだろうか? より大胆に言えば,我々は生まれながらにして善なのだろうか? 近年の乳幼児研究によって,発達初期におけるヒトの向社会性が明らかにされつつある。しかしながら,発達科学からのヒトの向社会性の本質についての議論は少ない。そこで,本稿では,実証的な発達研究をもとに,向社会性の性質やその変容を明らかにすることを目的とした。まず,進化生物学の理論を考察することにより,ヒトにおいて向社会性がいかにして形成・維持されるのかを議論する。次に,乳幼児期から就学前児を対象にした向社会性に関連する一連の研究を概観し,ヒトの向社会性は,発達早期において生来的な性質を持つが,発達とともにその性質が変容することを示した。更にその変容を促す要因(社会化,認知能力の発達,暴力的な場面やメディアなどへの接触経験)を考察することにより,発達早期における向社会性がいかに変容するかを描写した。最後に,向社会性の本質の更なる理解のために,今後の方向性として,その生起メカニズムや変容の解明についての試論を行った。
収録刊行物
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- 発達心理学研究
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発達心理学研究 25 (4), 443-452, 2014
一般社団法人 日本発達心理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205741943936
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- NII論文ID
- 130005251501
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- NII書誌ID
- AN10229548
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- ISSN
- 21879346
- 09159029
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- NDL書誌ID
- 025997545
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可