フィラデルフィア染色体陽性混合型急性白血病の形態学的特徴

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タイトル別名
  • Morphological characteristics of Philadelphia chromosome-positive mixed phenotype acute leukemia

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説明

<p>混合表現型急性白血病(mixed phenotype acute leukemia; MPAL)の診断はフローサイトメトリー(FCM)にて比較的容易だが,その形態学的特徴は不明な点が多い。今回われわれは2系列型フィラデルフィア染色体(Ph)陽性MPALを経験した。症例は60歳女性,高熱と紫斑を主訴に当院血液内科入院となった。末梢血にて貧血,血小板減少,芽球の出現を認めた。骨髄穿刺では小型リンパ芽球様細胞とFAB分類にて急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia; AML)-M1の特徴を示すアズール顆粒に乏しく,ミエロペルオキシダーゼ(MPO)染色弱陽性(6%)の中型から大型の芽球様細胞がみられた。FCMでは骨髄性(CD13, MPO: 47.9%)マーカー陽性とBリンパ球(CD10, CD19, CD79a)マーカー陽性の領域に分かれ,さらにPCR法にてminor BCR/ABL融合遺伝子を認めたことから2系列型Ph + MPALと診断した。形態学的にMPOに乏しい大型芽球様細胞と小型リンパ芽球様細胞の混在が観察された場合,Ph + MPALを想起する必要があると考えられる。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 65 (5), 582-588, 2016

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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