<i>C. DIFF</i> QUIK CHEK COMPLETEにおけるGDH抗原検出の有用性評価

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タイトル別名
  • Evaluation of <i> C. Diff</i> Quik Chek Complete assay of glutamate dehydrogenase in <i>Clostridium difficile</i> infection

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説明

C. difficile関連下痢症(CDAD)の診断は,一般的に糞便中の毒素検出により行われるが,検出感度は十分でなくC. difficile感染症(CDI)の一部は見落とされている.今回我々はC. difficile抗原(GDH抗原)とToxinA,ToxinBが同時検出可能な迅速キットC. DIFF QUIK CHEK COMPLETE(QUIK CHEK:アリーアメディカル)におけるGDH抗原検出の有用性を評価した.CDAD疑いで検査依頼のあった158件において,培養とGDH抗原の結果一致率は96.8%,感度100%,特異度96%と良好な結果が得られた.SHEA(米国病院疫学学会)/IDSA(米国感染症学会)ガイドラインに記載された通り,GDH抗原がCDAD診断の一次スクリーニング検査として有用である事が確認された.これによりGDH抗原が陰性の場合は,培養検査を省略する運用法に変更した.また毒素陰性・培養陽性分離株におけるQUIK CHEK検査では,20件中17件(85%)が毒素陽性であり,GDH抗原陽性ならば培養を行い,次に分離株にて毒素検査を実施する事で,より正確なCDI診断が可能になると思われ,運用法の変更は検査精度向上に有用と考えられた.またGDH抗原陽性の場合は速やかにICTに報告し,感染対策を実施することとした.今回の検討結果を臨床に報告した事により,臨床側のC. difficile感染対策の意識を向上させることが出来たと考える.

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 63 (5), 635-639, 2014

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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