心筋の活動電位, ペースメーカー電位およびQT延長のイオン機序

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タイトル別名
  • Ionic mechanisms of cardiac action potential, pacemaker potential and QT prolongation

説明

心筋の各種イオンチャネルについては, 機能はパッチクランプ法で, 構造は分子生物学的方法で研究されている. 各チャネルの活動電位やペースメーカー電位形成における役割はほぼ明らかになった. ペースメーカー電位の発生には, 速い電位依存性Kチャネルの脱活性化による減少, Naを透過させるIf電流の過分極による活性化, T型Caチャネルの活性化などが寄与する. 自律神経はIf, L型Caやアセチルコリン感受性Kチャネルに作用して心拍頻度を調節する. 心室筋の活動電位の延長はQT延長として認められ, 心室性不整脈の原因となる. 遺伝的なNaチャネルおよびKチャネルの異常によるQT延長症候群が発見された. 一個の心筋細胞には, Kチャネルが代表的であるが, 多種のチャネルがある. チャネルおよび構成細胞の異種性heterogene-ityが研究の進展と共に益々明らかになりつつあるが, その機能的意味の解明は今後の課題である.

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参考文献 (29)*注記

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